開花時期は6月〜7月頃。ちょうど梅雨の頃に開花します。花の形が椿によく似ていて、夏に開花することから「夏椿」と呼ばれています。アジアと北アメリカに8種が分布し、日本には「ナツツバキ」「ヒメシャラ」「ヒコサンヒメシャラ」の3種が自生しています。お寺によく植えられています。
|白くカレンな花
木の高さは、5〜15mにもなります。葉の脇に、花径5〜6cmの清楚な白い花を付けます。5枚の花びらのふちには、細かいギザギザあります。黄色の部分は雄べで、白い花びらとの相性は抜群です。花は一日花で、咲いた後は花の形そのままで木の下に落ちてしまいます。
※花言葉:「愛らしさ」「愛らしい人」「はかない美しさ」「哀愁」
|幹も美しい
ナツツバキの樹皮は灰褐色で、薄片状に剥がれ落ちて行きます。灰白色・赤褐色・橙色が入り混じった大きな美しい斑紋になります。「ナツツバキ」「サルスベリ」などは、木が成長するにつれて、死んだ組織である表皮が剥離し、つるつるした木肌が現れます。樹皮が剥がれた幹はとても美しく、磨き上げられて床柱などに利用されることもあるようです。
|京都 花園 妙心寺
日本では、ナツツバキがこの沙羅双樹(サラソウジュ)と誤認されたため、寺の敷地内に沙羅双樹として多く植えられています。東林院は「沙羅双樹の寺」とも呼ばれ、十数本ある「沙羅双樹」からの落花と青苔が見事です。
※沙羅双樹とは:お釈迦様が亡くなったときに、近くに生えていたことで有名な
樹。2本生えていた事から、それぞれ常と無常、我と無我、楽と無楽、浄と不浄とにたとえられています。
|まとめ
ナツツバキと沙羅双樹は本来は別種なのですが、長い間この沙羅双樹だと誤解されていたため、今でも日本で沙羅双樹というとナツツバキのことを指します。そんな理由もあってシンボルツリーとして人気があります。白い花なが咲き、夏には庭に木陰を作ります。通常のツバキは冬でも常緑ですが、このナツツバキは冬に落葉します。