秋冬が旬の果物リンゴは、真っ赤に色づきツヤツヤで、甘くてジューシー。しかし日本のリンゴは、初めから甘くてジューシーなリンゴではありませんでした。今回のシリーズは「知って得するリンゴ豆知識」と題して、5回にわたってお送りします。
|日本に伝わったのは平安時代

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1897227?title=りんご%E3%80%80赤いリンゴ
リンゴはバラ科の落葉高木。現在世界には約15000種類、日本には約2000種類存在します。原産地は中央アジアから西アジアの山岳地帯で、そこからヨーロッパなど世界各地に広まりました。日本に伝わったのは平安時代の中頃。この時のリンゴは「和リンゴ」といって、現在流通しているリンゴより小さく直径5㎝ほど。酸味の強い観賞を目的としたものでした。
|現在のリンゴは明治時代に伝来

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2094781?title=りんご(ふじ)
鎌倉時代には、上流階級の贈答品や献上品として用いられていた和リンゴ。江戸時代には東北から九州まで、国内で栽培されていたようです。現在私たちが食べているリンゴは、明治時代にアメリカから伝わった「西洋リンゴ」。北海道で栽培が始められ、その後信州や東北地方に広がっていったものなのです。
|絶滅した和リンゴの復活も

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2041231?title=りんご
今は西洋リンゴが主流となっていますが、和リンゴが絶滅してしまったわけではありません。現在でも国内11箇所で、その土地に根付いた和リンゴの栽培が行われています。滋賀県の彦根市では、絶滅した和リンゴの「彦根リンゴ」の復活プロジェクトを行なっています。平成16年から全国の和リンゴの苗木を取り寄せ「彦根リンゴ」の唯一の手がかりである一枚の絵を頼りに接木を重ね、平成29年に「平成の彦根リンゴ」として復活を遂げました。
|まとめ
和リンゴは、昔はお盆のお供えに使われていたとのこと。現在は生で食べるということは少ないようですが、ジャムやスイーツ、お酒に加工される和リンゴもあるようです。甘くてジューシーなリンゴは、実は新参者。江戸時代までは、和リンゴこそが日本のリンゴだったのです。