早春の森林に映える美しい花々スプリング・エフェメラル。野山の中でひときわ花々が美しいのは、まだ肌寒い時期に数少ない昆虫を呼び寄せ受粉をするためと考えられています。群生地をなすのも効率よく受粉を促すための策なのだとか。植物の生き抜く知恵が、私たち人間の目を楽しませてくれているのです。
|北海道や東北地方に生息

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北海道や東北地方の日本海側に分布するのがエゾエンゴサク(蝦夷延胡索)です。湿り気のある低地や林床に生息しています。ケシ科の多年草で、草丈は10㎝から30㎝。2㎝程度の小さな花は青色、紫色、赤紫。カタクリなどとともに群生地をなすことが多い球根植物です。
|花・葉・茎は食用 球根は薬用

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花や葉、茎の部分は茹でて、おひたしや和え物でいただくことができます。アクもクセもなく美味しいそうです。球根の部分は「延胡索」という漢方薬として利用されています。またアイヌでは古くから球根部分を保存食としていました。
|エゾエンゴサク登場のおすすめドラマ

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エゾエンゴサクといえば、北海道を舞台にしたドラマ「風のガーデン」で、ドラマの中で象徴的な存在となっていたことを思い出します。病に侵された主人公がエゾエンゴサクの球根を植え、森一面に咲くエゾエンゴサクが美しく咲くラストシーン。10年前のドラマですが、ストーリーとともに北海道の自然、花々の美しさを体感できた素敵なドラマでした。花好きには一見の価値あるドラマ。DVD化もされています。
|まとめ
もともと北国の野山に咲く花で、花言葉すらなかったのですが、ドラマの中で「妖精たちの秘密の舞踏会」という花言葉がつけられたエゾエンゴサク。森の中の淡い青の花の絨毯。「秘密」というところが花の雰囲気にぴったりです。